第35回坂東市将門ハーフマラソン(2025年11月)
記録
5km 18分56秒(グロス)、18分53秒(ネット)
種目別順位(40~49才の部) 6位/80人中、距離別総合順位 42位/621人中
日時と天候
2025年11月9日(日) 10時20分スタート
気温 10℃ 天気 雨
前日までの経過
この大会にはハーフマラソンの部もあります。今回、私が5kmの部にエントリーしたのは、一昨年の自分との比較をしたかったからです。あれから長い距離を走る練習を重ねてきました。その結果として5kmのタイムも向上するのかを検証するためです。
この夏は、マラソンに向けた練習に終始しました。脂肪をエネルギー源とするように朝食前に走り、にこにこペースを維持しながら距離を長く走るようにしました。マラソンを完走するためには、力を出し尽くして走れなくなるのは最悪の事態です。長い距離を走っても、決してそうはならないように力を温存しながら走ることを練習していたのです。その結果、ハーフマラソンまではサブスリーのペースで走れるようになりました。
一方で、5kmという距離に力を出し尽くす練習は一度もしていませんでした。そこで、1週間前に予行演習を行いました。1周約900mのコースを7周走る中で、どれくらいのペースで維持できるかを探っただけです。そのときの感覚では、1km3分40秒はきついということがわかりました。夏場の練習を経て距離は走れるようになったものの、それでスピードが付いたわけではないと理解しました。
とはいえ、練習と本番は違います。当日の気候、水分や栄養補給によって伸びしろはあるかもしれないと考えて、レースに臨みました。
ウォームアップ
わかっていたことですが、この大会は雨の特異日に開催されると言っても過言ではないほど、毎年雨に降られます。今回も例に漏れず、雨の日曜日を迎えました。一方で、その雨は強くはありません。スタートまでの煩わしさを乗り越えれば、レース中は走りやすい条件です。ランナーのために敢えて、この日を選んでくれているのかも知れません。
会場までは自宅から車で30分です。しかし、会場から遠く離れた駐車場にしか停められませんでした。雨の中、約2kmの道のりを歩きました。会場では、屋根の下に多くのランナーがひしめき合っているため、着替えや靴の履き替えも難しいと予想しました。そこで、レース用のシューズで歩いたため、会場に着く前に靴下まで濡れてしまっていました。
会場に到着したところで、ゼリー飲料1本を飲み干しました。そこから、会場内の野球スタジアムを周回しました。15分ほどかけて、ビルドアップ走のように最終的に1km4分弱まで速度を上げて終えました。汗もかいており、走れる状態です。この時点でスタートの20分前でしたので、スポーツドリンクを飲みました。
レース
雨は降っていましたが、強くはありませんでした。10分前に10kmレースのランナーが出発した後、スタート地点に入りました。小規模なレースではありますが、スタート時のゾーンが明確に定義されていました。一番前は招待選手、二番目は18分以下、三番目は18分から21分、四番目は21分以上です。私は三番目の先頭付近に並びました。もっとも、一番と二番のゾーンにいる人は多くなかったので、その位置で問題ありませんでした。
スタート直後は、自分の身体の感覚を頼りに走りました。今日の体調と気候でどのくらいのペースになるのかは、実際に走ってみなければわかりません。少し速すぎるくらいに入りながらも、無理のない程度に調整します。その結果、最初の1kmは3分37秒でした。体調は悪くないようです。周囲のランナーと競り合いながら走りました。このまま続けられれば良いのですが、さすがにそれは無理でした。次の1kmは3分42秒かかりました。徐々に息が上がり、ペースが低下してきました。
この地区のメインストリートに入り、見通しが良くなったところでスピードを上げたいのですが、上がりません。周囲にいたランナーにも徐々に引き離されてしまいました。今大会のゲストランナーである千葉真子さんのスタート直前のアドバイスは「3kmくらいまではやや余裕を残して、徐々に速度を上げていく方が良いレースができる」でした。この言葉を思い出しながら、速度が落ちてしまった2km地点から3km地点の走りを納得する材料としました。3km地点は折り返しの直後であり、ここから追い込んでいく予定でした。
とはいえ、心肺の余裕がなく、上げているつもりでも現状維持でした。メインストリートを抜けると、このコースの最後の区間です。会場に戻る前に下り坂があるので、最後の追い込みには好都合です。しかし、この下り坂で1人のランナーに追い抜かれてしまいました。下り坂を終えたところで彼の速度が落ちたので、公園内で追い抜きました。ところが、ゴールの陸上競技場に入るところで、彼がスパートを仕掛けてきました。残りは短い距離でしたので私も追いかけました。最後は1km3分10秒まで加速していたので、私も遅くなかったはずですが、彼の方が速かったです。

レース後
もちろん、追い込んだつもりではありましたが、完全に消耗したわけではありませんでした。速い速度で走り、限界まで続けるというトレーニングをしていなかったので、使い切れなかったという感触です。
一昨年は表彰式を欠席してしまったので、今回は入賞しているか否かは確認しなければならないと思っていました。一度目は自分が入賞すると想定していなかったため、という言い訳ができますが、そのときよりも早いタイムで帰ってきた以上は、確認せずに帰ったら故意か重過失と言われても反論できません。
会場でアナウンスを待っていましたが、他のレースのランナーが次々とゴールしてくるため、アナウンスがありませんでした。すると、陸上競技場の一角にある掲示板に気が付きました。そこに入賞者の名前が貼り出されていたのです。確認すると、40代の部で6位でした。
小さな大会の、年代別の、しかもギリギリ入賞の6位ですが、7位以降だったランナーがいる限り、この賞には相応の重みがあると思います。今回はきちんと表彰式に参加してきました。
振り返り
ネットタイムで一昨年よりも5秒早くゴールしました。2つ歳を重ねているのに早くなったのだから、満足すべきです。しかし、自分の心の奥底の目標は、かすみがうらマラソンの5kmの部で出した18分30秒でした。
はっきり言えば、にこにこペースで走っているだけで、5km走まで速くなるとは考えにくいのです。生理学的にもそのように説明されています。にこにこペースで走ることによって、脂肪をエネルギー源として使えるようになる。だから、フルマラソンの後半での失速を防ぎ、ゴールタイムが短縮される。そのように田中宏暁さんは説明していました。
5kmのペースは明らかに糖を燃やして走る強度です。したがって、脂肪を利用する練習で速くなる理屈がありません。それを証明したレースとなりました。5秒速くなったのは、「棚から牡丹餅」と理解した方が良さそうです。ただ、ここで思い出すのは、福澤潔さんの著書にある一節です。
「スピードと持久力(スタミナ)をつけるには、ビルドアップ走のラスト1kmが大切。ここだけはペースを『上げる』という感覚が入ってきてもOKなので、フォームを崩さないことに注意しながらバネを使ってペースアップしましょう。」
『「3時間切り請負人」が教える!マラソン<目標タイム必達>の極意』SB新書 p.57より引用
辛い練習は一切不要と言い切っている福澤さんが、ここだけは例外的にスピードを上げるべきと書いています。1kmと言えば、わずか3分から4分です。この短い時間でも、速く走ることを身体に思い出させることには効果があるのです。いや、正確には、スピードを上げることに不慣れになってしまうのは、身体ではなく、意識である気がします。
この夏、私は距離を伸ばすことだけを考えており、このような刺激を入れることは頭から抜けていました。それが今回のレースに響いたのです。今後は、最後の1kmだけは速く走るようにします。


