第44回つくばマラソン(2024年)
記録
つくばマラソン 10kmロード 39分50秒(グロス)、39分46秒(ネット) 81位/1388人中
日時と天候
2024年11月24日(日) 9時50分スタート
気温 11℃ / 天気 晴れ
天気は快晴です。雨は全く降りそうにありません。風もなく、観衆には快適そのものですが、ランナーにとっては少し暑いくらいでした。
前日までの経過
本大会においては重力ランニングの成果を発揮して、自己新記録をさらりと更新してみせる心積もりでした。そのため、7月からベアフットシューズを履いて、フォームをさらに磨くつもりでした。その意気込みを以下の記事に書きました。ところが、注意していたはずなのに安易に速度を上げようとした結果、右のハムストリングスを痛めてしまいました。その後に、右のふくらはぎも痛めました。いずれも、走れなくなるほどの大けがではなかったのですが、ジョギング程度の速度でしか走れませんでした。9月に入って、やっとケガをしないで走れるようになったのですが、速度的には1キロ5分程度が限界という判断となりました。ベアフットシューズではなく、裸足で1キロ4分で走る人は現実に存在するのですから、私の技術の不足であると考えています。涼しくなってきたところで、つくばマラソンに向けて走りこむ必要がありました。そこで、10月に入ってからは元のワークマンの靴にお世話になっています。つまり、それまでの期間は、心肺に対する負荷はほぼゼロだったわけです。
10月にひさびさに1キロ4分で走るという状況です。このため、1キロ4分で走ってもケガをしないかどうかの確認で終わってしまいました。ここでケガをしてしまったら、記録の更新はおろか、出場さえもできなくなってしまいます。11月に入ってから1キロ4分よりも速い速度でのトレーニングをしようかとも思いましたが、リスクもありますので、距離を伸ばして20 km走りました。前の週末には10 km走の予行を行ない、40分は切れそうという感覚を得ました。ただし、不安要素もありました。レース2週間前のトレーニングでは、速度を上げて呼吸がやや苦しいが巡航可能な状態で3 kmほど走ったところで、横隔膜の痙攣が起こってしまったのです。自分としては、まだ余裕があると思っているのですが、横隔膜の部分が固まって、痛くなってしまうのです。こうなると、一旦、止まって呼吸を落ち着けるしかありません。その間、5分くらいは掛かります。つまり、そこでレース終了ということです。
ウォームアップ
いつもの通り、競技場には1時間前に入りました。ゴールの陸上競技場の北側の広い通路を使って、入念にウォームアップをすることができました。この通路は仮設トイレのある広場へ通じているので、自分の良いタイミングでトイレに行くこともできました。最初は歩きから継ぎ目なくランニングまで加速していくプロセスを6回行ないました。その後、1キロ4分程度の速度で何度も走りました。そうして身体が温まった状態でスタート地点へ移動しました。
レース
スタートの15分前にスタート地点に向かったつもりが、スタート時刻を5分間違えていたため、現地に到着したときには3分前でした。前から5,6列目の右端に入れてもらえました。並んですぐにスタートしたという感覚でした。
つくばマラソンの10 kmのコースは何度も走っていますので、良く知っています。スタート直後に周囲のランナーとの競争意識で飛び跳ねてしまわないように注意しました。陸橋の頂点まではゆっくり入って、下り坂で加速して、その速度を維持するようにしました。
今回は、横隔膜の痙攣を起こさずに走り切ることが課題でした。一方で、20 kmを走り切ることができていたので、脚力には余裕があると考えていました。そこで作戦は、序盤から呼吸が苦しくならないギリギリのところを狙い、イーブンペースで走り切る、というものです。後半に追い込んで速度を上げることができないという前提でのレースとなります。
途中で後ろからランナーが抜いていっても、それに付いていくこともせず、ランナーを抜くときにも速度を上げるということもせず、淡々と走りました。実際、呼吸を意識しながらも攻めているという感覚でしたので、第1折り返し地点まではいつもよりも長く感じました。およそ半分を消化しているので、速度を上げて行きたいところですが、それをせずに、着地時のロスをなくすことだけを気にしていました。その後、6 kmの標識を見つけたので、タイムを確認したところ、1キロ4分に対して13秒だけ早いことがわかりました。意識して抑えながら走っている中で1キロ4分よりも早いということで安心しました。後半は余力を使って少しでも上げていこうと思いました。
つくばマラソンの10 kmコースはほとんど筑波大学の学内にあります。学内の道路には自動車の速度を抑制するため、段差が設けられています。これがランナーにとっては障害になります。第2折り返し地点の手前1 kmくらいで、直前のランナーが道路の段差に脚をひっかけて、つんのめってしまいました。その人が転ばないように頑張っている様子を見ながら、自分がどのように回避するかを考えていたら、自分の脚もその段差に引っかかってしまいました。転ぶところまでは行かなかったのですが、脚がバタついて、走りのリズムは完全に崩れてしまいました。なお、そのランナーはアクシデントが響いたのか、その後、追いついてくることはありませんでした。走りを立て直しているうちに第2折り返し地点となりました。そこを過ぎると、ゴールまでの最後の区間です。速度を上げて行きたいところです。他のランナーもそのように考えて、速度を上げてきます。そこで、抜かれた相手に付いて走ってみましたが、徐々に呼吸が速くなります。呼吸が苦しくなると横隔膜が痙攣して走れなくなってしまうことがわかっていましたので、そうならないように保守的にレースを進めました。
このコースには、ランナーを苦しめる陸橋が8 km過ぎにあります。行きはスタート直後にあるので、あまり苦にしませんが、帰り道には大きな壁となります。通例ですと、私も既に呼吸が苦しい状況になっているので、登り坂で速度を落とさないようにするのが精いっぱい、陸橋を超えてからの緩やかな下りを利用しようにも、苦しくて速度が上げられませんでした。今回は自重していたので、登り坂もかつてないほど順調に駆け上がり、下り坂を利用して速度を上げることができました。それでも、呼吸がきつくならないように調整しながら、ゴールまでの約1 kmを走りました。レース終盤でありながら、そのように消極的に走っていたので、ゴールの陸上競技場の入り口で後ろにくっついていたランナーが抜きにかかってきました。私も残り200mであれば、さすがに走れなくなるリスクはないと言えますので、これに対応しました。本来のランニングフォームであるA1タイプに切り替え、一気に加速して振り切りました。また、およそ20m前方を走っていたランナーを競技場内で追い抜き、そのままゴールまで駆け抜けました。短い距離だと思って一気に速度を上げたので、酸素負荷がゴールした後に襲ってきて、吐きそうになりましたが、何とかこらえました。
なお、上記写真の場面はゴール約1 km手前当たりですが、ここで撮影した動画を元にピッチを測定してみました。すると、0.29 s/歩(216歩/min)でした。これまで自分のピッチを具体的に測定したことがなかったのですが、1秒に3歩を少し超えると思っていたので、予想通りでした。
結果
結局、時計を見たのは6 km地点だけでした。ゴールタイムは39分46秒でした。最後に40分を切ったのは2017年の39分58秒でした。そのタイムからわかるように全力を尽くして帳尻を合わせたのです。そのとき、39歳だったので40代になっても40分を切ろうと思い、それをエイジシュートと名付けたのを思い出しました。現実には、それ以降は10 kmのレースに備えるだけの体力と気力がなく、出場してはいましたが40分切りは遠く霞掛かった目標でした。そして、直近の結果は2022年の41分50秒でした。
これらを考慮すると、直近の結果から2分以上も短縮しているのです。5%のタイム短縮は、すなわち、5%速く走ったことを意味します。自己ベストの更新はできませんでしたが、7年越しに一つの目標を達成できたので、良しとします。
今回は意識的に限界に近づかないように走った結果ですので、伸びしろはまだあると感じています。一方で、心肺機能が制約事項になっていることが明らかになりましたので、日常の練習では心拍数を意識するようにします。
Youtubeの配信でちょうど自分のゴールシーンがありましたのでリンクしておきます。2時間8分41秒からです。そんなに力を残しているのだったら、もっと早く帰って来いよ!と突っ込みたくなるようなゴール前の追い込みをしています。でも、その理由は上に書いた通りなのです。