物理層・身体層・認識層の3つの観点でランニングメソッドを解明

物理層、身体層、認識層

ランニングを理解するにあたり、情報を階層化することが必要です。運動だけをやってきた方々は、その辺りの区別をせずに走り方などを教えていますが、個人の経験と普遍的な真理が混ざったまま伝えられており、わかりにくい状況です。

このサイトでは、ランニングメソッドを以下の3つの層に明確に分類して解説していきます。

  • ランニングを理解するためには、情報を物理層、身体層、認識層の3つに分類することが重要である。
  • 物理層では、重力や接地点を基にした普遍的な法則を解明し、身体層ではその法則に基づき骨格や筋肉の使い方を議論する。認識層では、主観的な理解と客観的な動作のギャップを考慮し、各自が自分なりの理論を作り上げることが求められる。

物理層

ランニングを理解するには、この世界の物理法則から出発します。ただし、この世界と言っても問題となるのは地球上、そして日本国内におけるランニングです。つまり、空気があり、大気圧は約1013hPaであり、重力が存在します。重力加速度は約9.8m/s^2です。このような環境で、人間という生物が地面に対して水平方向に移動する方法について、実際に正確に解説されたことはありません。これは、健常な人間全体に適応される普遍的な原理を見つけることが目的です。登場するのは、身体の重心と接地点2つだけです。重力の存在を前提として、接地点を介して重心を水平方向に移動させるプロセスを解析します。

身体層

次に、上記の物理層の原理に従ってランニングを実現するために、人間の身体をどのように使っていくかを考えます。物理層の結論に反しないことが絶対の条件です。ここでは、脚をどう使うのかはもちろん含まれますが、その中で、人間の骨格と筋肉をどう活用するかが議論されます。既存のランニング指導は、身体層と認識層が混在した状態で議論されていることがほとんどで、物理層の議論がないか、あっても誤っていることがあります。そのため、互いに整合しない主張が乱立しています。その中でも、必ず言及しなければならないのは、廣戸先生の4スタンス理論です。身体層において、正しさは1つではないという理論で、サブレイヤーが存在するという稀有な発見です。しかし、現在において、ランニングを指導する人たちの間で正しく理解されているとは言い難いです。

認識層

客観的に人間の身体がどのように動くべきか(身体層)で結論を得たとしても、それだけで身体がそのように動くわけではありません。ランニング中の身体は高速で動いているため、客観的な動作と主観的な認識には必ず齟齬があります。この点を理解し、主観的にはその運動をどのように理解するかを議論するのが認識層です。この層は各人により異なると言えます。つまり、普遍的な理論を構築することは原理的に不可能です。本来的には、身体層の理論を聞いて、理解し、各人が自分だけのための理論を作り上げるものです。したがって、書くとしたら、「私にとっては」という但し書きの上で、私の認識について伝えることになります。私個人の経験を記載することで、他の人たちはそれを取り込み、自分ならばどうかと置き換えて考える材料になるでしょう。

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